2026.10.20

V2Hは元が取れる?費用対効果と回収年数を3つのケースで試算

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「V2Hは元が取れる?」に先に答えると

V2Hの費用対効果は、「電気代の削減だけで回収できるか」という視点で見ると、補助金なしでは耐用年数内の回収が難しく、補助金・太陽光・車の使い方がそろって初めて現実的になる、というのが正直なところです。

この記事では、よくある条件を置いた試算で、年間にどれくらい電気代が下がるのか、回収まで何年かかるのかを3つのケースで示します。あわせて、電気代以外の価値(停電への備えなど)も含めてどう判断すればよいかを整理します。数字はあくまで試算であり、ご家庭の条件で結果は変わります。

試算の前提条件

試算では、次の前提を置きました。実際の見積もりでは、ここを皆さまの条件に置き換えて考えます。

項目 前提
太陽光発電 5kW(年間発電量 約5,000kWh)
電気の購入単価(目安) 31円/kWh
売電単価(目安) 15円/kWh(契約時期により異なる)
V2H導入総額(機器+工事) 100万円(目安は80〜160万円程度で、設置条件により変動)
補助金 「なし」と「50万円」の2パターン(仮定)

V2Hの電気代削減の中心は、売電するはずだった余剰電力を、車の電池に貯めて夜に使うことです。売電単価(15円)と購入単価(31円)の差、つまり1kWhあたり16円が「貯めて使うことの価値」になります。

太陽光パネルを屋根に設置したレンガ造りの住宅

3つのケースの年間メリットと回収年数

車が家にいる時間によって、昼間の余剰電力を電池に貯められる量が変わります。そこで次の3ケースを比べました。

ケースA:平日は車が通勤で外出し、年間の移動量(貯めて使える電力)が約1,500kWh。
ケースB:在宅や休日利用が多く、年間約2,500kWhを貯めて使える。
ケースC:ケースBに加えて、時間帯別の電気料金プランで夜間の安い電力も活用し、年間約1,000kWh分を1kWhあたり10円程度お得に使える。

ケース 年間メリット 回収年数(補助金なし・実質100万円) 回収年数(補助金50万円・実質50万円)
A:平日外出が多い 約2.4万円 約41.7年 約20.8年
B:在宅・休日利用が多い 約4.0万円 約25.0年 約12.5年
C:Bに時間帯別プランを併用 約5.0万円 約20.0年 約10.0年

表から分かるとおり、電気代削減だけで見ると、補助金なしの場合は20年以上かかる計算です。V2H機器の耐用年数は一般に10年台とされるため、補助金なしで電気代だけを理由に導入すると、回収前に寿命を迎える可能性があります。一方、補助金で実質負担を半分に抑え、車が家にいる時間が長いケースCでは、約10年での回収が見えてきます。

電気代以外に見るべき3つの価値

V2Hの価値は電気代だけではありません。導入を判断するときは、次の3点も合わせて考えてみてください。

①停電時の備え:電池容量の大きいEVなら、一般的な家庭で数日分の電力を賄えます。たとえば約75kWhクラスのEVで、停電時の給電は4〜6日程度が目安です。この安心感は、回収年数の数字には現れません。

②蓄電池を別に買わずに済む:家庭用蓄電池(5〜16kWh程度)は工事込みで80〜200万円が目安です。すでにEVをお持ちなら、V2Hで数倍の容量を使える分、同じ「貯める」機能を低い初期費用で得られる場合があります。詳しくは「V2Hと家庭用蓄電池の違いとは?」で比較しています。

③EVの充電を太陽光で賄える:ガソリン代の削減はEVを買った時点の効果ですが、V2H(特にトライブリッド)なら太陽光の余剰電力で充電する運用を自動化しやすくなります。

屋根に太陽光パネルのあるガレージ前で充電中のEV

費用対効果が高くなる家・低くなる家

試算を踏まえると、条件によって向き不向きがはっきり分かれます。

費用対効果が高くなりやすい家:太陽光発電がすでにあり、売電単価が低い(買電との差が大きい)。EVが家にいる時間が長い(在宅勤務・休日中心)。補助金を使える。停電への備えを重視している。

慎重に検討したい家:太陽光がなく、昼間の余剰電力が出ない。平日はほぼ毎日車が外出する。補助金が使えない。電気代の削減だけを目的にしている。

補助金は年度ごとに予算が決まり、上限に達すると受付が終了します。2026年10月時点では、国のV2H補助金(令和7年度補正予算分。機器費の上限75万円+工事費の上限55万円で最大130万円)は、2026年8月27日に受付が終了しています。一方、令和8年度の自治体補助は、千葉市(最大25万円)、つくば市(10万円)、相模原市(一律20万円)など受付中の市区町村があります。最新の受付状況は各公式サイトでご確認ください。補助金の考え方は「V2H本体価格・工事費の相場は?補助金なしの実質負担額シミュレーション」もあわせてご覧ください。

まとめ:電気代だけで決めず、停電対策と合わせて判断を

V2Hの電気代削減額は、前提の太陽光5kW・購入単価31円・売電単価15円で、年間約2.4〜5.0万円が目安でした。補助金なしだと回収は20年以上、補助金で実質50万円なら約10〜21年という結果です。

電気代だけで元を取るのは簡単ではないものの、停電への備えや蓄電池を別に買わずに済む点を含めて考えると、導入に価値を感じる方は少なくありません。弊社では千葉・神奈川・茨城エリアで、皆さまの太陽光の有無・車の使い方・利用できる補助金に合わせた個別シミュレーションを無料で行っています。数字をご家庭の条件で確かめたい方は、お気軽にご相談ください。

スマートフォンの電卓と請求書で電気代を計算する様子